ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)とは?

Michael Chen | シニアライター | 2025年12月18日

「データの力を活用する最先端のテクノロジー」と聞いても、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を真っ先に思い浮かべる人は少ないかもしれません。しかし、先進的な企業は、データ入力や運用、カスタマーサービスなど、あらゆるワークフローを最適化するためのカギとなるツールがRPAであることを知っています。RPAは、部門や機能を横断してプロセスを連携させ、従業員を手作業から解放することで、より重要でクリエイティブな業務に専念できるようにします。

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)とは?

RPAは、明確なルールや入力・出力、トリガーが定義されたワークフローを対象とした、コンピューターベースのプロセス自動化です。人が作業する場合に比べて、繰り返し発生するタスクをより迅速に処理でき、しかもヒューマンエラーの心配がありません。RPAのワークフローは、さまざまなアプリケーションと連携させたり、ノーコードまたはローコードのツールを使ったりして定義できます。一部のRPAシステムでは、人間が作業する様子を観察して自動的にスクリプトを生成することも可能です。RPAプロセスの実例としては、データの自動入力、在庫が特定のレベルに達した際の在庫チェック、小売業における単純な返品処理などが挙げられます。

主なポイント:

  • RPAは、反復的でルール化されたタスクを大量に処理する際に、ヒューマンエラーのリスクがないコンピューターベースの自動化を実現します。
  • RPAはAIとは異なり、自ら学習したり、与えられたワークフロー以外の新しいパターンを検出したりすることはできません。
  • RPAは、頻繁なデータ入力やソフトウェア更新の展開といった繰り返し手間のかかる作業から、ユーザーを解放します。
  • RPAは、AIエージェントの作成時にも活用され、エージェントが反復的なタスクを実行できるようにします。

RPAの概要

RPAは、ソフトウェアロボット(ボット)を使って、人間がこれまで行っていた反復的かつルールベースのデジタル業務を自動化するテクノロジーです。RPAボットは、人と同じようにアプリケーションやシステムとやり取りできます。ログインや画面の操作、ボタンのクリック、データの抽出、フォーム入力、ファイルの移動などをボットが自動で行い、請求書処理、顧客データ管理、レポート作成といった業務を担うことが可能です。RPAを導入することで業務効率が向上し、ミスが減り、人はより高度な判断や創造性を要する付加価値の高い仕事に専念できるようになります。また、同じ業務をAIシステムが行う場合と比べて、RPAはリソース消費が少なくて済む場合もあります。

RPAテクノロジーは、Excelなどのアプリケーションにおけるマクロの仕組みに似ています。どちらもルールとトリガーに基づいて、一連の業務を自動化します。ただし、RPAは複数のアプリケーションを横断して作業でき、条件分岐などの高度な機能も備えているため、より複雑なワークフローにも対応可能です。クラウド・インフラストラクチャに組み込まれている場合、ノーコードやローコードツールを使ってスクリプトを作成できます。これにより、業務部門のユーザーでもIT部門の支援を受けずに、自分たちで業務を自動化できるようになります。

RPAは、ワークフロー内の自動化されたステップ(非アテンド型)として設定することも、手動で呼び出す(アテンド型)ことも可能です。また、AIエージェントと組み合わせることで、プロセスをさらに自動化できます。

RPAの仕組み

RPAは、人がコンピューターを使ってタスクを完了する流れを、ソフトウェアボットを用いて再現します。まず、業務ユーザーや開発者がRPAソフトウェアを使って、業務プロセスを実際に行う手順を記録します。ソフトウェアは、メールやWebサイト、スプレッドシート、ERPのような業務アプリケーションなど、関連するアプリケーション内で行われたクリックやキーボード操作、データ処理の内容を記録します。こうして一連の手順がスクリプトやワークフローの形で作成されます。必要に応じて人間の専門家が、条件分岐や繰り返し処理などのルールやロジックを追加し、さまざまな状況への対応も盛り込みます。

ワークフローが定義されると、ボットは実際に業務を開始できる状態になります。ボットは特定の時間に実行するようにスケジュールしたり、特定のイベントをトリガーにしたりすることができます。たとえば、新しい従業員を迎え入れたとします。ボットは、オンボーディングの一連の手順を、人間と全く同じように、そして多くの場合より速く、ミスなく自動的に実行します。ボットは、採用システムから新入社員の情報を取得し、ユーザーアカウントやメールアドレス、システム利用権限を作成したり、ウェルカムメールや機器の利用方法に関するガイドを送信したり、必要なコンプライアンス書類を生成したりします。もしボットがプロセス全体を完了できない場合は、その作業を人に引き継ぐこともできます。

使用される主要なテクノロジー

基本的なボットを構築する一般的な方法は、RPAソフトウェアに人間の操作を「観察」させ、記録させることです。また、企業では、ユーザーのクリックやキーボード操作、データ入力などをさまざまなアプリケーションで記録する「タスクマイニングツール」を導入し、RPAに適した繰り返しの作業を特定するケースも増えています。さらに、プロセスマイニングツールを使えば、企業システムのイベントログを分析して、業務全体の流れを可視化し、自動化への投資効果が見込めるプロセスを選定することができます。

より高度な自動化の場合、PythonやJavaScriptのようなプログラミング言語を使って処理を開発することもあります。これらの言語は、APIを利用したシステム連携によるデータの取り込みや出力、スキャン済みの書類を扱うための光学式文字認識(OCR)やオブジェクト検出、AIエージェントとの連携などにも対応できます。こうした技術を組み合わせることで、RPAは「インテリジェント・オートメーション」へと進化し、AIを活用して非構造化データの処理や単純な意思決定にも対応可能になります。

RPAツール自体は、ノーコード・ローコードでスクリプトを作成できるものも多く、クラウド・インフラストラクチャ上で稼働すれば、さまざまなデータソースをまたいで自動化処理を実行できます。実際、クラウドベースのRPAは大きなトレンドとなっており、スケーラビリティの向上や、多様なアプリケーションやデータソースへのアクセスの容易さといった利点があります。

ボットが多数運用されるようになると、管理の仕組みも必要になります。オーケストレーションツールを使えば、ボットへの業務割り当て、認証情報の管理、ボットの動作ログや詳細な分析の提供など、中央管理パネルから一元的にボットの運用をコントロールできます。

AIとRPAの連携

AIとRPAは主に2つの方法で連携できます。1つ目は、AIエージェントが自身に割り当てられたタスクを実行するためにRPAを利用するケースです。たとえば、AIエージェントが受領した書類の確認と準備を担当する場合、スプレッドシートの書式が組織の基準に合っているかどうかをAIが判断し、変換が必要な場合はRPAスクリプトを呼び出して自動処理を行います。

2つ目は、RPAスクリプトの中に「特定の条件に当てはまる場合、処理を一時停止し、人間またはAIエージェントによる判断を求める」といったルールを組み込む方法です。デフォルトの設定では、人間による確認と意思決定を求めることが一般的ですが、代わりにAIエージェントに状況を評価させて、RPAの処理方法を決定させることも可能です。

AI自動化の実例

AIによるカスタマーサービスのチャットボットエージェントとRPAスクリプトを組み合わせて商品返品を処理するケースを考えてみましょう。チャットボットが顧客からの返品申請フォームを受け取り、RPAを使って返品理由が正当かどうかを確認します。ただし、「返品理由」の選択肢に「その他」があり、自由記述欄で顧客が状況を説明できる場合、この情報は非構造化データとなり、次にとるべき明確なステップが定まりません。その場合、RPAは処理を一時停止して通常は人による確認を求めます。しかしAIを活用すれば、RPAが大規模言語モデル(LLM)を呼び出し、過去に「その他」が選択された際の処理事例を参照させることができます。LLMの分析を基に、返品を承認するか、却下するか、それとも人間の担当者による確認が必要かをRPAが判断できるようになります。

RPAのメリット

RPAによるシステム的な自動化には、主に業務効率の向上やエラー削減といった幅広い利点があります。RPAは柔軟性に富んでいるため、社内業務向けアプリケーションや顧客向けソフトウェアなど、さまざまな用途で創造的な統合が可能です。以下に、RPAの代表的なメリットをまとめます。

  • コスト削減:RPAはタスクをより迅速に完了させると同時に、従業員をより付加価値の高い業務に専念させることができます。ミスが少なくなることで、問題の特定や解決にかかる時間も減ります。また、RPAの利用規模は柔軟に拡張・縮小できるため、需要の変動にも人員の追加採用やトレーニングのコストをかけずに対応可能です。
  • ミスの削減:業務負荷の高いタスクには、どうしてもヒューマンエラーがつきものです。あるフォームからより大きなシステムへと顧客情報をインポートするように設計された、データ入力ワークフローを考えてみましょう。手動のデータ入力では、タイピングやコピー&ペーストのプロセスが発生し、ミスが起こりやすくなります。ボットであれば、あらかじめ定義されたスクリプトに常に従うことで、プロセスを正確に実行できます。
  • 効率性・生産性の向上:RPAはルールベースの手順やワークフローの自動化に最適です。たとえば、フォームの自動入力やレポート作成など、複数のステップを要する手間のかかる業務にも対応できます。クラウド環境で利用すれば、全社的にさまざまなデータにアクセスしながら自動化を展開できます。ボットは24時間休みなく稼働し、人間より速く業務をこなします。
  • 厳格な監査対応:ボットは手順を忠実に実行するようにプログラムされており、明確なログを残すことで法規制や社内ルールへの順守状況を証明しやすくなります。

RPAの限界

RPAは多くの場面で効果を発揮しますが、連携・機能の両方で限界もあります。以下は、RPAを導入する際によく直面する課題です。

  • 反復可能な作業に限定される:RPAボットは、ルールに基づいた、反復的で構造化されたタスクに長けていますが、判断力や批判的思考、創造的な問題解決を要するプロセスには向いていません。たとえば、多くの例外がある業務や、顧客が商品を返品する「その他の理由」など非構造化データを解釈する必要があるプロセスでは、一般的なRPAボットだけでは対応できず、より高度なAIエージェントによる支援が必要となります。
  • 環境の変化に適応できない:メニューやインターフェース、システムに変更があると、RPAボットの動作が中断されたり、正しい結果が得られなくなったりすることがあります。RPAで高品質な結果を出すためには、対象となるIT環境が安定している必要があります。新しいソフトウェアやプロセスの更新によってワークフローが変更された場合、RPAボットが必ずしも自動的に適応できるとは限りません。RPAは手動のデモを通じてプロセスを「学習」できますが、通常、新しいルールについては手動での再プログラミングを必要とします。
  • スケーラビリティの課題:RPAは、APIが使えない環境で利用されることが多いため、データ出力や自動化の仕組みを他の環境へ柔軟に拡張することはほとんどできません。RPAでより柔軟に拡張できる仕組みを作るには、目的や利用するソフトウェアの特徴をしっかり把握した上で、手順を汎用化して使い回せるように設計することが重要です。
  • セキュリティ上の懸念:ボットを運用するには広範なシステムアクセス権や特権アカウントが必要な場合が多くあります。1つのボットが複数の機密アプリケーションとやり取りするケースも多いため、1つでもアカウントが侵害されると、攻撃者がデータに不正アクセスしたり、業務を妨害したり、不正行為を働いたりするリスクがあります。特に、認証情報の安全な管理、ボットのロジックに対する意図的な改ざん防止、ボットの全行動を記録する堅牢な監査証跡、そして厳格なアクセスコントロールを徹底するガバナンスフレームワークの構築が重要なポイントとなります。
  • 初期コスト:RPAは、多くの場合、APIが利用できない環境で活用されます。そのため、導入時の設定が複雑になりやすく、初期費用や運用コストが高くなることがあります。この課題を解決する方法のひとつとして、RPA機能が最初から組み込まれたクラウドサービスを選択し、複雑な設定を必要とせずに、広範な連携やコラボレーション、高機能を実現する方法があります。

RPAの種類

RPAには、主に「アテンド型」と「非アテンド型」という2つのタイプがあります。しかし近年では、効率的な自動化と、人による介入が必要な複雑な問題解決のバランスを取ることを目指した、第三の選択肢「ハイブリッド型」も注目を集めています。それぞれの特徴について見ていきましょう。

  • アテンド型RPA
    アテンド型RPAは、人の操作によってボットが呼び出され、必要なときにオンデマンドで動作するタイプです。たとえば、RPAボットはデータアナリストのツールボックスの一部として、データセットのラベル変換処理を実行する役割を担うことができます。アナリストはまず生データを確認したいと考えているため、この処理は完全な自動変換にはなりません。アナリストがデータの確認を終えた段階で、RPAのコードを呼び出して変換処理の部分を自動化します。
  • 非アテンド型RPA
    非アテンド型RPAは、ワークフローの中でプロセスを完全自動化できる方法です。ボットは常に待機状態にあり、ワークフローの中で関連するステップに達すると即座にトリガーされます。非アテンド型RPAの例としては、オンライン小売が挙げられ、購入完了時に領収書を自動生成し、顧客へメールやテキストメッセージで送信するタスクなどがあります。
  • ハイブリッド型RPA
    ハイブリッド型RPAは、アテンド型と非アテンド型、それぞれの利点を組み合わせたものです。このアプローチでは、標準的で予測可能なタスクや一定の範囲内の処理はボットが自動的に実行しますが、例外や潜在的な問題が発生した場合は、それらの項目にフラグが立てられ、人間の介入を求めます。レビュー担当者が判断を下すと、ワークフローの中でタスクを先に進めることができます。

ハイブリッド型RPAがワークフローの最適化にどのように役立つかを理解するために、顧客向けチャットボットが返品承認プロセスを最適化する例を見てみましょう。非アテンド型RPAは、購入日、商品状態、商品タイプなど、特定の基準内に収まる返品依頼を自動で処理します。しかし、明確に判断できない内容を顧客が入力した場合、チャットボットはそのタスクにフラグを立て、返品を承認すべきかどうかを人間が確認できるように介入を求めます。このシナリオでは、大部分のタスクを自動化して効率を最大化しつつ、顧客生涯価値(LTV)や製品の再販のしやすさといった定義済みの要因に基づいて、人間が判断を下すという選択肢も残されています。

RPAに関する一般的な誤解

ロボティック・プロセス・オートメーションは、機械学習や人工知能ほど世間で話題になることは少ないものの、多くの企業にとって欠かせない強力なツールです。RPA、ML(機械学習)、AI(人工知能)は、相互に補完し合い、しばしば重複することもあるテクノロジーです。IT部門にとって重要なのは、それぞれの技術をどこに適用すべきかを理解し、RPAに関してよくある2つの誤解を知っておくことです。

  • RPAはAIの意思決定と混同されることが多くあります。AIによる意思決定は、あらかじめ設定されたルール、学習データ、学習された推論能力を組み合わせて行われます。AIの場合、自ら範囲や手順を評価・改善し、徐々に進化していきます。一方、RPAはルールベースのワークフローで明確に定義された手順に従って処理を行うため、推論や段階的な改善はRPAの範囲外です。このように決まったワークフローに従う特性から、AIの支援がないRPAだけでは、解釈や推測・判断が必要な業務には向きません。
  • RPAは事前に設定されたルールのみに基づき動作すると考えられています。多くのRPAプロセスは静的で明確なルールに基づいていますが、これは必須条件ではありません。RPAは、頻繁に繰り返される人の操作を記録し、それを再現することもできます。たとえば、画像編集ソフトでユーザーが画像解像度の変換手順を何度も繰り返し実行している場合、RPAツールはこの作業を記録して自動化できます。ただし、この仕組みの柔軟性には限界があります。たとえば同じソフトウェアのユーザーインターフェースやメニュー構成が大きく変わった場合、RPAスクリプトは人の手を加えなければ対応できなくなる可能性があります。

RPAとAIの違いを理解する

RPAとAIの違いは、技術者とエンジニアの違いに例えることができます。どちらも業務の成功において重要な役割を果たし、技術的な知識を持っていますが、それぞれ異なる基準や目的で動きます。技術者はルールに従い、決められた手順を迅速かつ正確に実行し、決められた範囲から外れることなく処理を進めます。一方でエンジニアは、技術者の作業もこなせますが、例外やイレギュラーな事態にも対応し、プロセスそのものをより良くできるかどうかを考えます。

  • RPAは、あらかじめ決められたルールにもとづき繰り返しの多いタスクを自動化します。このルールは事前設定されたものだったり、作業を繰り返し観察することで設定される場合もあります。RPAの目的は、たとえば一連のメニュークリックなど、繰り返し行われるルールベースの作業を自動化して特定のタスクを達成することです。RPAは多くの面で、Excelのマクロに似た機能を持っていますが、より柔軟で、作成も簡単であり、アプリケーションからのエクスポートもより迅速に行うことができます。ただし、プロセスやルールに厳密に従うという特性があるため、RPAには適応性に限界があります。
  • AIはデータから学習し、洞察にもとづいて意思決定を行います。AIもまた、あらかじめ定めたガイダンスや、観察(学習)を通じて方向性を導き出すところからスタートします。RPAとの大きな違いは、そのスタート地点を「入り口」として、学習と結果のフィードバックループによって進化していく点です。これにより、AIはデータのパターンから学び、明確な指示がなくても、より細やかな判断を加えたり、ワークフローに新しい選択肢を組み込んだりすることができるようになります。

RPAとAIを組み合わせたインテリジェント・オートメーション

インテリジェント・オートメーションとは何でしょうか?簡単に言えば、RPAのような自動化プロセスとAIを連携させ、双方のメリットを最大限に引き出す手法です。この組み合わせにより、自動化によるルールベースの効率化で業務負荷や手作業を削減しつつ、AIが「どのタイミングでどの処理を実行するか」といった判断を自律的に行えるようになります。以下に、インテリジェント・オートメーションの例を2つ紹介します。

  • AIによるデータ分析を活用し、RPAでレポート作成を自動化:RPAスクリプトは、レポートの自動生成をトリガーできます。そして、それらのレポートの内容は、AIによるデータ分析を使用することで強化できます。AIでデータを処理・分析することで、RPAスクリプトはリアルタイムデータに基づく、より詳細なインサイトを盛り込んだレポートを作成できます。このようにAIとRPAを組み合わせて使うことで、ワークフロー全体の手順や所要時間を大幅に削減できます。
  • 自然言語処理(NLP)で非構造化データを扱い、その後RPAボットで処理する:データがメールやログ、その他テキストベースの非構造化形式で提供される場合、NLPを活用してその内容をアプリケーションで扱える形に変換できます。たとえば、インテリジェント・オートメーションによってフィードバックフォームから感情分析を行いたい場合、AIがNLPを用いて回答テキストを分類・集計し、重要なポイントにフラグを立てます。その後、RPAが構造化されたレビュー結果を受け取り、レポート作成を自動化する、といった流れです。

RPAを活用する主要業界

RPAによる自動化は、無駄の削減、パフォーマンス向上、精度の強化などの目的で、部門や業種を問わず幅広く利用されています。以下に、各業界がワークフローにRPAを効果的に統合している例をご紹介します。

  • 金融: 金融業界では膨大かつ構造化されたデータが日々扱われており、RPAの得意分野です。RPAは、高ボリューム・高負荷の業務を、ほぼ瞬時に自動化できます。データ入力や書類の確認、ラベルの書式設定など、明確にルールや手順、範囲が定められたタスクがこれにあたります。RPAにより業務効率が大幅に向上するだけでなく、手作業によるデータ入力ミスも排除できるため、精度の向上も実現できます。
  • 医療:医療分野では、RPAを患者向け・内部業務の双方に活用できます。患者に対しては、診察受付、検査・スキャン結果の通知、予約のリマインダーなどの実用的なプロセスの自動化により、全体的なエクスペリエンスを簡素化し、向上させることができます。医療提供側では、異なる電子カルテ(EHR)フォーマット間でのデータ統合や、退院後のマネジメント業務を迅速化できます。さらに、シフト管理やサプライチェーン・在庫管理まで、運営面でも幅広くRPAで自動化が可能です。
  • 小売:オンライン・実店舗・ハイブリッド型のいずれの小売事業者でも、RPAは業務効率化に大きく寄与します。RPAを在庫管理やサプライチェーン管理に組み込めば、在庫や出荷状況を常時モニタリングし、スピーディーな調整が可能となります。また、顧客対応分野でも、返品・返金リクエストの処理、請求書の自動作成・送付、マーケティングメールやSMS配信など、さまざまな作業の自動化を実現できます。

RPAのユースケース

RPAは、業界を問わずさまざまなビジネスプロセスの自動化に活用できます。社内業務でも顧客対応でも、「決まった手順で繰り返される作業」であればRPAの適用範囲はほぼ無限です。以下は、業界を超えて広く利用されている主なRPAのユースケースです。

  • カスタマーサポート:RPAを活用したチャットボットは、記録の確認、返品・返金リクエストの対応、顧客フィードバックの処理など、多くの一般的・手順化されたカスタマーサポート業務を自動でこなせます。手順が明確に定義されている業務であれば大半が自動化対象となり、多くの組織で通常対応しているサポート業務の多くをRPAが担うことができ、担当者はより複雑な顧客対応に専念できます。
  • 人事:HR部門は広範囲にわたるプロセスを扱っており、それらは自動化によって大幅に最適化できます。従業員エクスペリエンスのほぼすべての場面が定型的な人事業務と結びついており、入社時のオンボーディング、個人情報の入力、研修用フロー、さらには退職時の最終チェックリストまでRPAで自動化できます。
  • フトトウェアアップデート:RPAs can significantly lighten IT workloads by autoRPAは、ネットワーク全体のソフトウェアアップデートプロセスを自動化することで、IT担当者の負担を大幅に軽減できます。RPAを使えば、システム内の更新の有無を自動でチェックし、インストールまでを自律的に行うことができ、社員の作業や時間を最小限に抑えられます。

RPA導入の課題

RPAは業務プロセスの自動化や組織の効率向上に大きな可能性をもたらしますが、実際に導入する際にはいくつかの共通課題に直面することが多くあります。幸いにも、RPAは成熟した技術であり、こうした課題に前もって対応するための有効な戦略も確立されています。

  • レガシーシステムとの統合:最新のアプリケーションは一般的にRPAとの連携もスムーズですが、特にオンプレミスで稼働しているレガシーシステムでは、接続方式の一貫性のなさやIT環境の多様性が障壁となることがあります。IT部門は、RPA対象のアプリケーションやシステムについてあらかじめ互換性監査を行い、必要に応じてミドルウェアやカスタムコネクタを活用し、RPAプラットフォームと古いアプリケーションやカスタムアプリケーションとの間のギャップを埋める必要があります。
  • 従業員の抵抗とチェンジマネジメント:自動化の導入は、「自分の仕事がなくなるのでは」という不安から、従業員の抵抗につながり、プロジェクト推進を妨げる要因となりがちです。こうした場合は効果的なチェンジマネジメントが不可欠です。経営層はRPA導入の目的を率直に伝え、反復的な作業を自動化することでいかに人間の能力を増強できるかを強調すると良いでしょう。これにより、自動化を、従業員を置き換えるためのテクノロジーではなく、創造性や批判的思考を必要とするより価値の高いタスクに従業員が集中できるようにするためのツールとして再定義できます。
  • プロセス変更とボットメンテナンスの管理:RPAボットは特定のワークフローに合わせて設定されています。基盤となるアプリケーションやプロセスが(ボタンの移動などのわずかな変化であっても)変更されると、自動化が機能しなくなる可能性があります。この脆弱性に対処するため、継続的なメンテナンスが必要です。企業は定期的なボットの監視とスクリプトの更新を含むガバナンス計画を策定し、精度を維持しつつ、コストのかかるダウンタイムを未然に防ぐ必要があります。

RPA導入成功のためのベストプラクティス

RPAはワークフロー最適化に役立つ強力なツールですが、導入を成功させるには入念な計画と連携のベストプラクティスが重要です。一般的に、RPA導入はまず組織のワークフロー内にある反復可能で安定したタスクを特定することから始まります。ターゲットとなるプロセスが特定されたら、以下のステップを意識すると、自動化の取り組みをより成功に近づけることができます。

  1. 設定の柔軟性を確保する:ファイルパスやメールの宛先アドレスなど、特定の変数や設定を固定するコードの量を最小限に抑えることで、RPA導入の成功率を高めることができます。代わりに、プロセス担当者がそれらを簡単に設定できるようにしておくことで、変更が生じても開発者がコードやスクリプトを作り直す必要がなくなります。
  2. 再利用性を重視する:ログイン、メール通知、フォーマット変更など、RPAワークフローの多くのステップは一般的で反復可能です。こうしたパーツをモジュール化しておけば、ほかのRPA機能にも基礎モジュールとして再利用できます。そうすることで、将来のRPAプロセス開発をスピードアップさせると同時に、組織内での標準化や利便性も向上します。
  3. エラーの発生を前提とする:RPAはルールベースで動作するため、予期しない逸脱やアプリケーションの変更があるとプロセスが停止することがあります。完全に避けられない重大なエラーもありますが、サーバータイムアウトなど、よくある問題に対してはあらかじめ適切な対応策を組み込んでおくことができます。こうした対応は、最新のRPAソフトウェアであれば可能です。たとえば、エラー発生時はキュー内の次の項目に進めつつ、エラー内容を記録して人によるチェックを促すフローにしておくと良いでしょう。
  4. AIとの連携を見据えて設計する:AIを導入することで、RPAはより複雑な非構造化データを処理し、コンテキストをより深く理解して例外を管理できるようになります。これにより、さまざまな請求書フォーマットの処理や、メールに含まれる顧客感情の解釈など、よりエンドツーエンドの自動化が実現できます。

Oracle RPAソリューションで自動化をさらに強化

RPAは信頼性が高く一貫性のある自動化テクノロジーを提供するため、あらゆるAIエージェントのツールキットにとって最適です。オラクルの統合ビジネス自動化プラットフォームであるOracle Integrationは、あらかじめ用意された連携機能、組み込みのベストプラクティス、そして直感的なビジュアル開発環境を備えており、RPAおよびその他の自動化ツールの価値を最大限に引き出すことができます。Oracle Integrationのソリューションを活用すれば、APIを使った連携、ロボット、AIエージェント、人間の介入を組み合わせたハイブリッド型の自動化を構築することが可能です。

私たちは今、AIの登場により、RPAを活用した生産性向上の新たな時代を迎えようとしています。RPAはこれまでも、人の操作を模倣して反復的な、構造化された作業の自動化を得意としてきましたが、AIによりRPAの可能性が大きく広がります。企業には今、RPAをどのように活用できるかを、より大きな視点で考えることが求められています。まずはパイロットプロジェクトでRPAの価値を示し、部門のリーダー層を巻き込みながら、今後エージェント型AIを支える重要なテクノロジーとして計画的に導入を進めていきましょう。

AIエージェントを活用することで、企業が生産性を向上させ、主要な業務プロセスを自動化する方法をご紹介します。

RPAに関するよくある質問

RPAは非構造化データを扱う業務も自動化できますか?

RPAは主にルールが明確で構造化されたデータに最適ですが、使い方次第で適用範囲を広げることも可能です。ただし、テキストや動画、画像といった非構造化データを処理するには、他のツールを使って構造化された形式に変換したうえでRPAで使用する必要があります。たとえば、NLPモデルで非構造化テキストデータを処理し、カテゴリやタグを割り当ててからRPAでレポート作成を自動化する、といった例があります。同様に、書類の画像データをOCR(光学文字認識)で表データへ変換すれば、その後のRPA処理の一部として活用できます。

RPAを全社的に拡張する場合の主なポイントは何ですか?

RPAは全社規模への展開も可能ですが、計画的な導入が不可欠です。RPAの成功には、選定するRPAツールの種類、自動化できる業務の量、既存データの連携性、処理リソース、ボットのメンテナンス体制など、さまざまな要素が影響します。まずは自動化の候補となる業務プロセスを全社的に分析し、他のITツールやリソースとの整合性も確認しましょう。また、RPA開発チームはモジュール化や再利用性、設定の柔軟性も意識すると良いでしょう。これにより、スクリプトの展開やリソース利用状況の評価、連携・スケールアップの容易さが向上します。

RPAは他の自動化技術とどのように連携できますか?

RPAは他の自動化技術と組み合わせて活用でき、これを「インテリジェント・オートメーション」と呼ぶこともあります。エージェント型AIと連動させれば、AIエージェントはRPAをツールとして使用し、目標達成に役立てます。また、ワークフロー内で複雑または判別困難な入力があった際は、RPAがAIモデルに判断を委ねてから処理を進めることができます。さらに、AIモデルで分析や非構造化データの処理を行った後、その結果をRPAの構造化されたワークフローに取り込んでレポート作成を自動化する、といった使い方も可能です。

Oracle AI Agent Studio for Fusion Cloud Applicationsを使用すると、Fusion Applications内の事前構築済みのAIエージェントを変更したり、新しいAIエージェントをすばやく作成したりすることができます。